相撲 休場力士の増加…休場すると給料は?

近年の相撲人気の中、力士たちは白熱した取り組みを見せてくれています。

一方で、取り組み中の怪我で、休場する力士が多いことが気になります。

今回は休場の理由、給料や番付はどうなるのかについて解説したいと思います。

 

相撲の休場と不戦勝とは


出典:https://mainichi.jp/

相撲の力士が本場所を怪我などの理由により欠席することを休場といいます。

不戦勝とは

以前は、取り組みが発表されたあとに一方の力士が休場した場合、星取表に「や」と表示されました。

休場した力士、対戦相手にも勝敗がつかなったのですが、優勝制度が実施され、「不戦勝」の制度が導入されたのです。

不戦勝の制度は、取り組みで一方の力士が休場した場合の勝敗の算入方法のことです。

休場した力士は1敗となり、対戦予定だった力士には1勝が記録されます。

不戦勝が正規の勝ちであることを徹底するため、対戦力士は土俵に上がり勝ち名乗りを受けます。

土俵に上がらなかった場合は、両者が不戦敗です。

結びの一番が不戦勝ということもあると思いますが、そんな風景を見たことがありません。

これは、結び前の取り組みと入れ替えで不戦勝の勝ち名乗りを行うためです。

千秋楽で「これより三役」の取り組みに不戦勝があった場合も、「三役揃い踏み」前に不戦勝の勝ち名乗りを行い、残り3番を行うことになっています。

懸賞はどうなる?

不戦勝となった取り組みに懸けられていた懸賞はどうなるのでしょうか?

懸賞金は懸賞を懸けたスポンサーに戻されます。

ただ、スポンサーの意向によって、別の取り組みに振り替えられることもあるようです。

横綱は黒星が続くと横綱としての責務を果たせないため休場することが多いですよね。

横綱となればかなりの懸賞が懸けられています。

対戦力士は戦わずして高額の懸賞を受け取ることはできないようになっているんですね。

また、対戦予定の横綱が休場して不戦勝となった力士は金星とはならないそうです。

力士の数が奇数になると?

番付は東西に1人ずつおり、力士の人数は偶数になっていますが、休場力士が出ると奇数となり、対戦相手がいなくなるのでは?

しかし、今まで対戦相手がいなくなったということはありません。

これは、下の番付の力士が上で相撲を取るからです。

たとえば、幕内で休場力士が出た場合は、十両の力士が幕内で相撲を取ります。

今度は十両が奇数になってしまいますが、幕下の力士が十両力士と対戦します。

幕下以下は1場所7日間しか相撲を取りませんが、千秋楽に十両同士の対戦相手がいない場合、すでに7番相撲を終えた力士を対戦させることがあるそうです。

その場合、幕下の力士が十両の力士に勝てば、勝ち星として換算され、負けても1敗にはなりません。

 

休場の理由


出典:https://mainichi.jp/

番付は本場所の前の月の最終週の月曜日に発表されます。

幕内の取り組みは初日と2日目の分を前々日に作るため、全休の力士はそれまでに届出をします。

協会からの休場力士の正式発表は取り組み発表と同じ時期になります。

公式サイトには初日の前日に発表され、会場の電光掲示板には休場のところに四股名が掲示されます。

場所の途中で休場する場合は、不戦勝の勝ち名乗りの際に場内アナウンスが休場理由を発表します。

幕下以下の取り組みは休場の理由に関わらず「(力士の四股名)、病気のため、(対戦予定だった相手力士の四股名)の不戦勝であります」とアナウンスされます。

十両以上の関取の取り組みに関しては「(力士の四股名)、(休場理由の詳細)のため本日より休場」と休場理由が発表されます。

また、引退の場合は、「(力士の四股名)、本日引退(しました)」とアナウンスし、そのあと「したがって、(対戦予定だった相手力士の四股名)の不戦勝であります」とアナウンスされます。

主な休場理由は、怪我、病気、引退ですが、2018年の1月場所に大砂嵐が無免許運転の疑いで摘発されて休場した時は休場理由がアナウンスされず、「大砂嵐、本日より休場」とアナウンスされました。

 

休場したら給料?番付はどうなる?


出典:https://yahuhichi.com/

力士の給料

力士は十両以上の番付となって給料を貰うことができるのですが、休場の場合は給料は支給されるのでしょうか?

力士の給料は月給、力士報奨金が基本となり、そのほかに本場所特別手当などの手当がつきます。

月給は、休場しても全額支給されますが、番付が下がればその番付の給料ということになります。

また、力士報奨金は出場した日数分しか貰うことしかできません。

そのほか、本場所特別手当や出張手当、力士補助金などの手当は休場したらもらえません。

休場したら番付はどうなる?

休場したら番付はどうなるのでしょうか?番付ごとに説明します。

●横綱

横綱に昇進すると休場しても負け越ししても番付は下がりません。

しかし、横綱としての責任を全うできなくなれば引退しなければいけません。

何場所休場したら引退という規定はありません。

過去に貴乃花は7場所連続して休場していますが、多くの横綱は3場所連続休場後の引退や、その翌場所途中引退が多いようです。

●大関

大関の地位で負け越ししたり、休場すると翌場所はカド番大関と言われます。

カド番大関は勝ち越ししないとその地位から陥落します。

2場所連続して負け越してしまうと関脇から再出発、ここで10勝以上あげれば大関に復帰できるという特例があります。

横綱のように何場所も休場すると、大関はおろか、幕内からも陥落してしまいます。

過去には大関まで昇進しながら十両まで番付が下がり引退を余儀なくした力士も数多く存在します。

●平幕・十両

関取は負け越しや休場で番付が下がります。

勝ち越し星ひとつ当たりで1枚上がったり、下がったりします。

たとえば7勝8敗であれば1枚、6勝9敗であれば2枚下がるという具合になっています。

全休すれば15枚下がりますから、十両の筆頭にいても幕下まで下がる可能性もあるのです。

ただ、番付については、他の力士との兼ね合いもあり、一概には言えないところもあります。

●幕下以下

幕下以下の力士は1場所7日相撲を取ります。

幕下以下の人数は幕下が東西で60枚目で120名、三段目は100枚目で200名、序二段が固定されていませんが約350名、序ノ口が約100名います。

ひとつの星の差で大きく番付が変動するため、これだけ多くの力士がいても、1年も休めば、幕内から三段目くらいまでは落ちてしまうのです。

 

休場力士が優勝したケース


出典:http://www.bsfuji.tv/

優勝制度が設けられて以降、過去に休場した力士が優勝したケースが2例あります。

1973年(昭和48年)11月場所でのことです。

12日目まで全勝を守っていた横綱輪島は、大関貴ノ花との対戦で右手の人差し指と中指の間を6針縫う裂傷を負いました。

勝負には勝ったものの、翌13日目の対横綱北の富士戦で敗戦してしまいます。

輪島を3敗で追っていた横綱琴櫻が貴ノ花に敗れ4敗となり、この時点で輪島の4回目の優勝が決定しました。

翌日から輪島は休場、千秋楽には表彰式のみ土俵に上がり、12勝2敗1休での優勝となりました。

 

もう一人は横綱千代の富士です。

1989年(平成元年)3月場所、千代の富士は14日目に横綱大乃国を上手投げで破り14勝全勝で27回目の優勝を決めました。

しかし、この取り組みで左肩を脱臼、千秋楽は休場し不戦敗となり、14勝1敗での優勝となりました。

千代の富士も千秋楽は表彰式のため土俵に上がりました。

翌場所は初日から休場、初日に師匠の九重親方が賜杯を返還しました。

この2例は優勝を決定した後の休場ですが、不戦勝が勝ち越しを決めたり、横綱戦が1場所で2回も不戦勝だった力士もいたようで、運も実力とも言えるかもしれません。

 

復活が期待される力士


出典:https://www.daily.co.jp/

白鵬

2018年1月場所を途中休場した白鵬。

休場の理由として「左母趾MP関節靱帯損傷、右母趾末節骨骨挫傷・爪下血腫で全治2週間を要する」との診断書を日本相撲協会に提出しています。

古傷の悪化と言われていますが、立ち合いに注文を付けられたことでリズムが狂ってしまったのかなと感じました。

張り手とかち上げをミックスしたような立ち合いは、白鵬が右腕を怪我したあとから始めたような気がします。

怪我のため、以前のように右腕を使えないから工夫した立ち合いなのかなと思っていました。

張り手もかち上げの相撲の技ですから使ってはいけないことはないのですが、横綱の品格などと言われても少しかわいそうだなと思います。

このまま引退するのでは?などという意見もありますが、今の相撲界で白鵬以外に綱を張ることができる人はいないと思っています。

怪我をしっかり治し、まだ土俵に戻ってほしいと思います。

稀勢の里

横綱になってから、最初の場所で優勝したものの、その時の怪我が完治せず、5場所連続途中休場の稀勢の里。

次に出場する場所では進退を懸けると明言しているそうです。

実力ではなく怪我で本来の相撲が取れないのはやはり残念ですし、重圧に押しつぶされそうな姿を見るのも辛いです。

7場所連続休場した横綱もいるわけですから、1年くらいかけて怪我を治し、日本出身横綱として長く土俵に上がってほしいです。

照ノ富士

怪我と糖尿病で苦しい土俵が続く元大関の照ノ富士は、2017年の7月場所から途中休場が続き、結果負け越しとなり、2018年1月場所は東前頭10枚目の地位で相撲を取りました。

しかし、初日から2連敗、3日目から「2型糖尿病で約1週間程度の療養を要す」との診断書を提出し4場所連続5度目の休場となってしまいました。

大きな体でケタ外れのパワーを誇り、力任せの相撲で大関まで昇進しましたが、その反面、強引な攻めが膝に過度の負担をかけてしまいます。

危惧されていたことが現実となり膝を負傷、現在は糖尿病のため血糖値が安定せず、相撲を取ることができなくなっているようです。

ただ、破格の勢いで大関まで上り詰めた照ノ富士ですから、怪我と病気が良くなれば、また幕内で相撲を取れるのではないでしょうか。

宇良

2017年の7月場所で右膝を負傷、9月場所で更に悪化させ途中休場した宇良。

11月場所も休場し場所後に両膝の手術を受けています。

1月場所は「右膝前十字靱帯断裂で現在加療中。1月場所の休場を要する」との診断書を提出して全休しています。

2月に行われた協会の定期健康診断では、徐々にリハビリをやっています。まだ負荷はかけられないけど、その場で力を入れる、という練習をやってます」と現状を説明していました。

2016年9月場所で左手甲付近を骨折し、場所後に手術。その影響もあり左での握力は35キロまで落ちてしまったそうです。

今回の健診で左手の握力が自己最高の70キロをマークしたとのこと。

「新弟子の頃は50ぐらいで、その後は60ぐらいまで上がったのが、ケガで落ちた。やった時は戻らないだろうと思った。

だから膝も、ちゃんと鍛え直したら取り戻せるかも。前より強くなって戻りたいなと思ってます」と、たくましくなって関取に復帰することを前向きに語ったそうです。

3月場所での復帰は明言しませんでしたが、無理することなく、じっくりと怪我を治してから復帰してほしいです。

復帰は幕下の地位での土俵になりそうですが、必ず幕内に戻ってほしい、そしてまた、アクティブな取り組みで土俵を沸かせてほしいですね。

豊ノ島

2016年7月場所直前に左アキレス腱断裂で初日から休場、9月場所も全休し、11月場所は幕下7枚目で復帰を果たしました。

4勝3敗で勝ち越しを決め、続く2017年初場所は6勝1敗と好成績を収め、3月場所次第で関取復帰まであと一歩のところまで戻ってきます。

しかし、また怪我をして途中休場を余儀なくされ負け越し。その後も幕下での相撲が続きます。

2018年1月場所は幕下5枚目の地位で土俵に上がるも、左ふくらはぎの肉離れでまた途中休場、3敗4休で終えました。

SNSで「さすがにもう無理だ・・・と思った時に嫁と娘に絶対にやめないでほしい!」と背中を押され、もう一度上を目指すと心境を告白。

土俵際で粘る豊ノ島の相撲がまた、幕内で見れることを願っています。

 

まとめ


出典:https://news.nifty.com/

2018年1月場所を制したのは平幕の栃ノ心でした。

栃ノ心は2013年9月場所で右膝前十字靱帯断裂、右膝内側側副靱帯断裂の大怪我を負い、6日目から休場しました。

怪我の回復が遅れ土俵に戻ったのは翌年の3月場所、幕下55枚目まで番付を落としていました。

それでもその場所を優勝、翌場所も幕下6枚目で優勝、十両の地位での2場所連続優勝を飾り、怪我から約1年で幕内へ復帰することができました。

栃ノ心の優勝は、豊ノ島や宇良をはじめ、怪我からの復帰を目指す力士たちに大きな力と勇気を与えてくれたと思います。

相撲に怪我はつきものですが、近年けがをする力士が多くなったと感じます。

休場は力士にとってあらゆる面でマイナスとなりますが、そこからの復帰にドラマが生まれます。

平昌オリンピックでも、フィギュアスケートの羽生結弦選手、ハーフパイプ(スノーボード)の平野歩夢選手が怪我から復帰し、メダルを獲得しました。

怪我をしたからこそ、メダルが獲れたとのコメントもあり、アスリートにとって怪我はマイナス面ばかりではないようです。

努力をした人にはその努力が報われて欲しいと思っています。

今、怪我をして土俵に上がることができない力士がまた、戻ってくることを楽しみに待ちたいと思います。

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