相撲の審判部の仕事は?【審判員一覧】

3月場所終了後の理事会と年寄総会で審判部への配属が決まった貴乃花親方。

その審判部とは、どんな仕事をするのでしょうか。

今回は、審判部の仕事や審判委員(勝負審判)について解説したいと思います。

 

審判部とは


出典:https://gunosy.com/
審判部は相撲協会の組織のひとつで、本場所相撲における勝敗の判定及び取り組み、番付の作成などを行う部署です。

審判部に所属する親方は、相撲協会相撲規則上、審判委員と定義され、一般的には「勝負審判」と呼ばれています。

勝負審判の構成

勝負審判は、人数は20名で各一門より推薦され、理事長より任命されます。

審判部長は理事から、副部長は副理事から理事長によって任命されます。

それ以外の親方が副部長になる場合は役員待遇となります。

副部長は原則として違う一門から3名選任されることになっています。

また、審判部に所属する親方は、大相撲中継の解説には出演しません。

勝負審判の歴史

勝負審判は、江戸時代には中改(なかあらため)という呼称で呼ばれていました。

明治時代に入り、高砂改正組(力士の待遇改善を求め、高砂一派が会所を離脱した事件)による改称後は、検査役と呼ばれるようになりました。

また、以前は勝負審判が土俵の周囲に四本柱(現在の房の位置)のところに座っていました。

今のように土俵の下から判定を見るようになったのは昭和5年(1930年)の天覧相撲がきっかけだったそうです。

昭和43年(1968年)に時津風理事長(元横綱・双葉山)が行った機構改革によって、検査役から審判委員に改められました。

さらに、翌年には後任の武蔵川理事長(元前頭1・出羽ノ花)によりビデオ判定が導入されました。

審判部の仕事

審判部は以下の業務を執り行っています。

・土俵上の勝負

・取り組みの作成

・番付の審査編成

・力士・行司に対する賞罰に関する事項

・公傷に関する事項

・その他相撲競技に関する事項

 

審判委員(勝負審判)の人数は?


出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

昭和48年(1973年)から実施されている勝負審判、どの番付でも5人と決まっています。

勝負審判の座る位置は決まっており、土俵の東西の力士溜に各1名、南の行司溜に2名、正面である北に1名です。

行司溜の2名のうち、東寄り(赤房下)の勝負審判は時計係、正面には審判長が座ります。

審判長は十両土俵入りまでは、審判委員の1人が務め、それ以降は審判部長もしくは副部長が務めます。

5人1組となって1日約160番ある取り組みをローテーションしながら審判しています。

審判委員一覧(2018年3月29日現在)

3月場所後の理事会で審判部は一新され、審判部長には元益荒雄の阿武松親方が抜擢されました。

審判部長:阿武松

審判部副部長:藤島 錦戸 高田川

審判部委員:玉ノ井 大鳴戸 竹縄 二子山 片男波 田子ノ浦 放駒 中川 時津風 立川 浦風 九重 東関 千田川 振分 浅香山 湊

審判部主任:西岩 友綱

審判部年寄:貴乃花

勝負審判の服装に決まりはある?

勝負審判は相撲競技規定によって、装束は紋服(羽織袴)に白足袋でなければならないとされています。

なお、5月場所から一重の羽織に紋付き、7月・9月場所は麻の着物に一重の紋付き姿となっています。

 

勝負審判の役割


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物言い

物言いとは、行司の勝負判定に、勝負審判や控え力士が異議を申し入れることを言います。

取り組み後の行司の軍配に異議のある場合、勝負審判は即座に手を挙げて意思表示をします。

その後、5人の勝負審判が土俵上に上がって協議を行います。

その際、審判長はビデオ室に控えている親方の意見も参考にします。

土俵に上がってしまう親方たちは、どうやってビデオ室の親方と連絡を取っているのでしょうか?

実は、物言いがつくと、呼び出しが審判長に駆け寄ってイヤホンを渡して、ビデオ室と会話しています。

協議が終了すると審判長から勝負の結果が発表されます。

この時、行司は意見を述べることはできますが、評決には参加できません。

物言いのほとんどが土俵際の微妙な状態についてです。

協議の結果、審判部長は、軍配通り、行司差し違え、同体取り直しのいずれかを場内発表します。

力士を監視する

勝負審判が見ているのは勝負の判定だけでありません。

土俵上の競技進行に対して目を配り、相撲競技規定に違反していないかを監視しています。

たとえば、仕切りの時に十分に手を付かずに立ち合った場合は行司だけなく、勝負審判も相撲を止めることができます。

そのほか、過度の「待った」連発や駄目押しなど、目に余る行為があった時には、土俵の下から注意を促したり、審判部長名で支度部屋に張り紙をして注意喚起をすることもあります。

水入り(長時間の取り組みで一時中断すること)後の取り直しには、勝負審判は満足するまで行司に注意をしなければいけません。

取り組み編成・番付編成

本場所の取り組みや番付の編成も審判部が決めています。

番付は本場所が終わってからの水曜日に決定しますが、発表は次の本場所の2週間前です。

ただ、新横綱や大関、十両などは化粧廻しなど、その他もろもろと準備が必要なので決定後すぐに発表されます。

本場所の取り組みは取り組み前日に決められます。

 

番付編成会議と取り組み編成会議のメンバーは同じです。

1.審判部の部長(1名) 2.審判部の副部長(2名)3.審判部の委員(20名以内)4.監事(3名)

外部有識者による監事は、理事の職務執行の監査などを行っており、審判部長や委員と同じ発言権があります。

行司は書記として出席し、取り組みが決まったものを記入していきます。発言権はありません。

審判部は、大相撲の世界において絶対である番付の編成権を持つことから、その役割は非常に重要とされています。

親方が審判部に所属しているかどうかで、弟子の力士の番付昇降に大きく影響するとも言われるくらいです。

特に番付編成に大きな権限を持つ審判部長は横綱・大関経験者が務めることが多くなっています。

ちなみに現在の審判部長の阿武松親方の最高位は関脇です。

 

誰が勝負の決まり手を決めるのか?


出典:http://blog.livedoor.jp/

取り組みの勝敗は行司と勝負審判が決めていますが、決まり手は誰が決めているのでしょうか?

相撲中継を見ていると、最初に発表された決まり手が変わることがあります。

まず、決まり手がはっきり分かる場合は行司が即座に判断しアナウンスしています。

この場合の行司とは、土俵上の行司ではなく場内放送を担当している行司です。

ただ、正式に決めるのは、ビデオ室に控えている決まり手係の親方(審判部の委員)です。

ビデオ室と場内放送係は取り組みのたびに内線電話で連絡を取り合っています。

そのため、行司と決まり手係の判断が違う場合は、決まり手係の判断が優先されます。

最終的に場内に放送された決まり手が公式記録に残ります。

 

行司の役割


出典:http://nznsms.jp/

土俵上の取り組みの勝敗を決める役割だけが行司の仕事ではありません。

古くは「行事」と書いて、相撲という興行を取り仕切るディレクターのような役割を担っていました。

 

実は、最近地方巡業で残念な事件が起きてしまいました。

場内アナウンスで「女性が土俵から降りてください」と言ったというあの事件です。

本場所や地方巡業の際の場内アナウンスも行司の仕事であることをはじめて知った方も多いのではないでしょうか。

そのほかに行司はどのような仕事をしているのでしょうか?

行司の仕事

まずは、取り組み進行と勝負判定が主な仕事ですが、そのほかにも土俵入りを先導したり、取組編成会議・番付編成会議の書記をしています。

また、場内アナウンスや番付を相撲文字で書くのも行司の仕事です。

そのほか、土俵祭の祭主としての役割や、地方巡業など、業界の行事のスケジュールや移動手段の手配、宿舎の部屋割りなどをするのも行司です。

行司は力士と同じく相撲部屋に所属しており、部屋の事務作業、特に冠婚葬祭の案内状、礼状書きなどを担当しているのです。

審判部と密接な仕事

中でも、取り組み進行と勝負判定、そして取組編成会議・番付編成会議の書記が審判部と密接に関わる仕事です。

勝負の判定は行司が見定め、軍配を上げていますが、最終的な決定は勝負審判がします。

行司は一時的に取り組みの勝敗を判定しますが、進行役ですので最終権限はありません。

微妙な取り組みでも引き分けとは言えず、どちらかに軍配を上げなければいけないのです。

その場合は勝負審判が物言いをつけて異議をとなえ協議によって勝敗が決められます。

土俵上では勝敗だけでなく、取り組みが円滑に進むように、仕切り、立ち合いが公平になるよう指導します。

また、取り組み中も「残った。ハッキョイ。」の掛け声をかけて取り組みをさばいています。

行司差し違え

行司が判定した勝敗が物言いによって覆った場合、行司差し違えとなります。

行司の最高位である、木村庄之助と式守伊之助が腰に脇差を差していることをご存知でしょうか。

これは、差し違えたときに腹を切る覚悟で臨むという意味がありますが、実際に切腹した行司はいません。

立行司は横綱や大関の勝負を判断するため、その勝敗の判断は命がけで判断しなければいけないということです。

現在、立行司は明らかに差し違えをした場合、理事長に「進退伺い」、つまり退職届を提出しています。

1回だけならば、処分はありませんが、差し違えが続いた場合は出場停止処分を受けることがあります。

ただ、今は木村庄之助は空位、式守伊之助はセクハラ事件で3場所連続出場停止処分中のため、立行司はいません。

 

まとめ

審判部は取り組みの勝敗を決定するだけでなく、番付や取り組み編成にも関わる重要な部署です。

相撲中継でも仕事振りを見ることができますし、花形と言っても良いでしょう。

今回、審判部へ配属となった貴乃花親方への人事に対し、八角理事長は、「人気もあると思うので、ぜひお客さんに仕事ぶりを見ていただきたい」コメント。

審判部長の経験もある貴乃花親方は「新たな気持ちで職責に向かいたい」と話しているそうです。

まだまだ、火種の絶えない相撲界ですし、貴乃花親方の仕事も今後注目されていくでしょう。

メンバーも一新し新しい審判部長、阿武松親方のもとで新相撲協会を牽引してほしいのですが、また何か起これば足元をすくわれてしまいます。

もう不祥事はこりごり、審判部のみならず、新体制となって世間が納得するような相撲協会になってほしいと願っています。

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