相撲の引退勧告とは?退職金はどれくらいに

暴力事件の責任を取るため、11月29日に引退を発表した日馬富士。

その後、12月20日には横綱審議委員会の臨時会合で「引退勧告」に相応する事案であることを確認したと発表されました。

そもそも「引退勧告」は重い処分なのでしょうか。

今回は大相撲の処分や、力士の引退について解説したいと思います。

引退勧告はどれくらい重い処分なのか

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大相撲の処分は重い順に①除名②解雇③引退勧告④番付降下⑤業務停止⑥出場停止⑦減俸(報酬減額)⑧けん責となっています。

解雇は理事会の4分の3の賛成で決議され、永久追放を意味します。

解雇となると相撲界への復職は認められません。

引退勧告は解雇の次に重い処分です。

引退勧告は期日がもうけられており、期日までに引退届を提出しないと解雇や除名に切り替わってしまいます。

解雇は退職金の支払いもありませんから引退勧告されたら引退するのが賢明です。

また、暴力事件の場所にいて、それを防ぐことができなかった横綱白鵬と鶴竜に「厳重注意」そして「減俸」が言い渡されました。

「厳重注意」は処分の中で一番軽い「けん責」にあたるそうです。

 

過去に処分を受けた親方、力士たち

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過去に除名を受けた者は相撲協会設立後はいません。

現在、事実上最も重い処分は解雇となり、解雇を持って除名とし、退職金の支払いはありません。

これまで、大麻取締法違反で逮捕された若麒麟、弟子への暴力で死亡させたとして時津風親方が解雇処分を受けています。

また、大相撲野球賭博問題では16代大嶽親方、大関・琴光喜も解雇処分、そのほかにも降格などの処分を受けた関係者もいました。

 

2010年には、当時の横綱・朝青龍が一般男性への暴力事件が写真週刊誌に報道され、相撲協会は本人を事情聴取した上で引退勧告を言い渡しました。

朝青龍は同日、引退届を提出、監督責任で高砂親方が役員待遇委員→主任へ降格しています。

2011年の大相撲八百長問題では、引退・退職勧告20名、出場停止・停職2年3名、降格14名、昇格見送り3名と多くの関係者が処分を受けました。

 

力士の引退後の退職金について

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解雇されると支払われない退職金、ではその金額はいくらなのでしょうか。

引退した力士には引退後、退職金(養老金・勤続加算金)、懸賞金の協会積立金、特別慰労金(横綱・大関のみ)が支給されます。

 

今回引退する日馬富士の場合を例にとると、横綱の養老金は1500万円です。

日馬富士の勤続加算金は十両15万円×3、幕内20万円×12、三役25万円×11、大関40万円×21、横綱50万円×28で計2800万円。

養老金と合わせると4300万円になります。

さらに横綱にはこのほかに、理事会決議によって特別功労金も支給されます。

金額は実績により決めらるそうで、過去最高は貴乃花の1億3000万円です。

2位が暴力事件で引退した朝青龍で、1億2000万円(推定)、以下、3位が曙で1億円、4位が武蔵丸の9000万円です。

日馬富士の場合は、実績から約5000万円くらいになるのではと推測されています。

退職金の4300万円、特別功労金5000万円、そして協会積立金を合わせて約2億円近くが日馬富士の手元に入るのではないかと思われます。

今後、白鵬が引退すると史上最高額の退職金となることは間違いなし、どんな金額になるか想像できないですね。

 

力士が引退する年齢は

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力士が引退の理由として一番多いのは年齢。

体が資本の力士にとって年齢を重ねることにより、体力の衰えは避けられない問題です。

しかし、力士の引退年齢は幅広く、20代で引退する力士もいれば、40代まで土俵に上がる力士もいます。

引退会見などを開くような力士はだいたい30代~40代ですが、平均すると引退年齢は20代前半なのだそうです。

意外に若いのでびっくりしましたが、若いうちに諦めてしまう力士が多いのかもしれません。

 

最近引退したレジェンドな力士たち


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ここ数年引退した印象的な力士は、「角界のレジェント」と言われた旭天鵬です。

37歳で史上最年長の初優勝を果たし、40歳になっても幕内力士として土俵に上がり続けました。

以前から十両に落ちたら引退すると公言していた旭天鵬。

西前頭11枚目の番付で迎えた2015年の7月場所で3勝12敗と大敗し、翌9月場所は十両陥落が決定的となりました。

十両だって関取、ファンは十両でも相撲を取ってほしかったのですが、千秋楽の翌日に41歳で現役引退を発表。

日本国籍を取得していた旭天鵬は年寄・4代大島を襲名して友綱部屋の部屋付き親方に就任しました。

 

時を同じくして引退を表明したのが若の里です。

全盛期には大関の最有力候補と言われましたが、何度も大怪我を負い、大関への昇進はなりませんでした。

若の里は、関取でなくなったら引退すると公言していました。

2015年7月場所は西十両11枚目の番付で土俵に上がり、11日目に8敗を喫し負け越しが確定。

14日目の旭日松に敗れた事で10敗目となり、次の場所では幕下陥落が決定的になりました。

つまり関取ではなくなってしまうのです。

最終的には4勝11敗で現役最後の場所を終えました。

若の里にも、幕下でも相撲を取ってほしいというファンの声が多かったのは言うまでもありません。

若の里は、すぐに引退表明はせず、故郷である青森県で興行される夏巡業に参加しました。

同年9月3日に39歳で現役引退を正式に発表し、年寄・12代西岩を襲名しました。

同じ場所で進退をかけて土俵に上がった二人の力士は同期生です。

お互いに切磋琢磨して長く土俵に上がり続けました。

現在、旭天鵬は友綱親方の引退に伴って部屋を継承、友綱親方として弟子の指導にあたっています。

若の里は、引退後、横綱・稀勢の里、大関・高安が所属する田子ノ浦部屋で後進の指導に当たっていました。

2018年2月1日付での部屋独立が承認され、西岩部屋を開業する予定です。

 

心に残る引退の名言

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引退の名言と言えば、やはり千代の富士です。

「体力の限界!…気力も無くなり、引退することになりました…以上です…」と振り絞るように発言した潔い姿は忘れられません。

2016年7月31日の亡くなった時にも引退会見の映像が紹介され、記憶に残る横綱だったと改めて感じさせてくれました。

千代の富士の引退のきっかけとなった貴乃花の引退もまた印象深いものでした。

会見で連発した「非常にすがすがしい気持ち」、「心の底から納得しております」は、一時流行語にもなったくらいです。

 

前出の旭天鵬の引退会見も、好きな力士であったこともあり忘れることができません、

旭天鵬は引退の理由を「白星黒星で左右される勝負の世界。年齢がいくと気持ちのダメージが大きい。自分の力が無くなったんじゃないかと。気持ちの糸が切れた感じ」とコメントしました。

ファンが望んだ十両での相撲についても「十両で、もう一回(関取の)スタートラインにいく自信はない」と話し、納得させられました。

思い出の一番として平幕優勝を飾った2012年5月場所での栃煌山との優勝決定戦を挙げています。

「土俵の上で泣いたのは初めて。あの優勝で、いろんな人に知ってもらったし、僕も成長できた」と振り返りました。

「レジェント」という名に相応しい力士だったと今でも思っています。

 

力士の引退後の仕事と収入

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力士を引退後の仕事として一番多いのはやはり親方になることです。

最近では、日本相撲協会には残らずタレントに転身した舞の海秀平さんのような人も増えています。

さて、親方になったからと言って、すぐに部屋を創設できるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。

・年寄名籍を取得すること

・親方の承認を得ていること

・引退後1年を経過していること

・自身の稽古場を持っていること

さらに以下のいずれかの条件をクリアすることが必要です。

①横綱もしくは大関経験者

②三役(関脇、小結)通算25場所以上

③幕内通算60場所以上

 

相撲部屋を開業できても運営していくのも大変なことです。

まずは弟子がいなければ成り立ちません。

相撲協会は、部屋持ち親方に対して、場所ごとに所属力士人数分の部屋維持費(1人につき11万5千円)と稽古場維持費(1人につき4万5千円)を支給します。

また、給与が出ない幕下以下の力士1人に対して、協会から毎月力士養成費(7万円)を支給。

さらに関取を養成すれば、年間単位で「養成奨励金」が支給される仕組みになっています。

(十両:3万円、幕内:5万円、小結・関脇:10万円、大関:20万円、横綱:30万円)

養成支給金は、十両で114万円、三役が156万円、横綱になると年間で276万円とその額も大きく、相撲部屋の収入を大きく支えるものです。

 

親方が集まった「一門」と呼ばれる組織にも協会から「助成金」が支給されています。

一門は「協会理事選挙のための派閥」と思われがちですが、相撲部屋の維持にも貢献しているのですね。

親方の収入は年収に換算すると1000万円になると言われていますが、廃業する相撲部屋もあり、すべての親方が高収入というわけではないようです。

 

力士の引退相撲

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力士の最後の舞台が引退相撲です。

引退相撲は年寄名跡を襲名した力士のみが開催することができます。

その中で、力士の家族や知人など大勢の人が少しずつ髷に鋏を入れ、最後に親方が髷を落とす断髪式が行われます。

断髪式は引退相撲のメーンイベントと言ってもいいでしょう。

通常、引退相撲は引退してから1年後くらいに行われるようです。

断髪式によって長年頭の上にあった髷がなくなるため、「本当に大相撲から引退するんだ」という気持ちで感極まってしまう力士が多いようです。

また、この引退相撲は興行であり、さらに祝儀というものも引退力士の懐に入ってきます。

もし日馬富士が引退相撲を行った場合は2億~3億円の収入になるのではと言われています。

まとめ

力士の引退にもいろいろな引退があります。

華やかな土俵から去る寂しさが一番ですが、そして現実的なお金の話もあってなかなか興味深いものです。

日馬富士の引退については、今後大きく取り上げられると思います。

旭天鵬や若の里の引退式とは違った雰囲気の中で行われるのではないしょうか。

また、処分について調べると、角界がここまで人気を回復するために並々ならぬ努力をしてきたことが窺えます。

今回の事件で相撲人気が落ちるような対応だけはしてほしくないと心から願っています。

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